公道最速理論07 「コーナリングの基本を知れ!」
 初心者の陥りやすいワナに、コーナリングのライン取りがある。アウト・イン・アウトという基本は知っていても、それが出来ないでいたり、自己満足的なラインになっていたりと、様々な落とし穴に落ち、どうしても速くなれずにいる。
 上の図は、初心者がヘアピンでよくやるコーナリングである。コーナーが目の前に迫ってきてからブレーキングを開始したり、事前にブレーキングしたけれど速度を落としきれなかったり、ブレーキそのものを踏まずにアクセルとステアリング操作だけで曲がろうとしたりする場合に、このような状態になる。コーナー外側のカベを利用して曲がる「ミニ四駆コーナリング」は、コーナリングの速度も低く、また脱出後のストレートでの加速の伸びがまったく期待出来なくなる。
 上の図も、よくやる光景である。コーナーへの進入速度が速すぎて曲がりきれず、やはりカベにヒットしてしまうのである。カベにヒットする直前にアクセルオフをするか、ブレーキを軽く踏むかでカベヒットは避けられたとしても、コーナー脱出時にスピードを殺してしまうために、やはりこの後のストレートの伸びが期待出来なくなる(カベにヒットするよりはマシ、という程度)。
 コーナーの基本はアウト・イン・アウト。これは誰でも知っている。上の図が理論的な状態のアウト・イン・アウトである。クルマの向きを見てもらえば解るが、明らかにテールがアウト側に出ているテールスライドの状態になる。この状態で、クリッピングポイント(コーナーのインのある頂点とコーナリングラインが最も近付く場所・近付けるべき理想のポイント)が、コーナーのインの真ん中に来るように曲がると、脱出速度は実はそれ程速くならない。
 頭文字Dで、拓海がとうふを配達するときにカップホルダーに水の入ったコップを乗せさせられていることを思い出して欲しいが、クルマというのは過重移動を利用して曲がることが出来る。拓海は水をこぼさずにハイスピードでコーナリングをしているが、理論上では可能な行為であるハズ。
 クルマが前に進もうとしているモーメントを、曲がるという行為は横に拡散していく。すると前に進もうとするモーメントが小さくなり、代わりに横に行こうとするモーメントが大きくなる。このモーメントの移動が過重移動であり、これをスムーズに行なうとコップ内の水がコップのフチで廻ってこぼれる寸前でこぼれない、という結果になるのである(クルマや道路の振動などの他の要素は省く)。横に拡大したモーメントを再び前に進もうとするモーメントへと移動させてやることで、クルマは再び加速していく。これがドリフトの理論になる。
 であれば、このモーメントの移動を手早くすませることで素早くクルマを回転させ、加速しようとするモーメントに出来る限り早くエンジンの力を加えてより速く前に進ませれば、理想のコーナリングが出来るのではないか?と考えることが出来る。
 上の図は、初心者のドリフトの図である。どこにもカベに当たらず、尚且つノーズはコーナーの出口に向かって加速が出来る状態になっている。適切な進入速度を、限られた範囲内でモーメントの変換を行ない、曲がるという事に変えた結果である。
 しかしこれではクリッピングポイントがない。つまり速くはないのである。
 では理想的なラインはどうなるのか?
 ご覧の通り、一気に回頭させて、少し奥に置いたクリッピングポイントをかすめるようにして加速していく。一気に回頭させるためにはテールを滑らせるキッカケが必要になってくる。ゲーム内では「アクセルオフ」「素早いステアリング操作」「ブレーキング操作」「シフトロック操作」がこのキッカケに当たる。またコーナーの幅があるのならば「(上の図であれば)一度左にノーズを向けてから一気に右にステアリング操作をする」という慣性ドリフトも可能になる。
 ATでもシフトロックが可能であるが、色々やってみた結果、確かにキッカケにはなるがスピードが格段に落ちるので、余程急なコーナーにオーバースピードで突っ込んだ時以外は使わないほうがいいことが解った。
 理想形は、適度な速度に落とした状態で、アクセルオフと同時にステアリングを切り込み、回頭したらカウンター(逆ハンドル)を当てつつアクセルオン、となる。カウンターは、横に向いたモーメントを前に進もうとするモーメントに戻す働きがある。駆動方式や回頭速度、回頭角度によってカウンターの当て方は様々になるが、ゲーム内ではあまり神経質にならなくても大丈夫である。実車であればこの過重の移動がシートから伝わってくるので目視だけでは得られない情報も利用できるが、ゲームではそうはいかない。したがってカウンター角度は目視に頼るしかないのである。感覚で横への移動が終わったと思ったらカウンターを当てるのを止めればいい。
 リプレイで見た時にヘアピンで上の図のようなラインが描けているかをチェックしてみると、自分のテクニックが良く理解出来ていい。
 最後にオマケとして、理想のドリフトラインの失敗例を検証する。それが上の図になる。
 確かに理想のラインを描いてはいるが、カベにヒットしている。これはコーナリングを始める位置が悪かったためである。イン・イン・アウト、という結果になってしまい、この後にストレートがあれば、そのストレートを全てムダにしてしまう結果となる。
 一気にインに寄せようとした結果こうなってしまうことが多い。また上りのヘアピンでもこうなりやすい。練習によってこうしたラインを描かなくなるが、ライバルとの抜きつ抜かれつのバトル中では焦りからミスを誘発することも少なくない。
 オーバーテイク時を除いては、逆に焦ってラインを外すことこそが最も大きな負ける原因になってしまうことを覚えておくべき。

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